はじめる前の準備
私たちの身の回りにある自然のサウンド(音)はほとんどアナログ信号であることはご存知ですね。たとえば、マイクロフォンに入ってくる音もマイクから出てくる信号もアナログです。これをデジタル信号に変換してはじめてパソコンで処理(いわゆるサウンド編集が)できるようになります。
問題は、デジタル信号に変える方式がいろいろあること、つまりデジタル音声ファイルにいろいろな形式があることと、そのデジタル信号を編集する方式やソフトにもいろいろなものがあることです。また、編集ソフトには、アナログ信号を直接取り入れられるものや特定の形式のデジタル信号しか受け入れられないものがあります。
WindowsPCには「サウンドレコーダー」というソフトがアクセサリとして標準装備されています。マイク録音やライン入力による録音ができ、WAVEファイルの読み込みやその一部あるいは全部のコピーや削除、貼り付け、ミキシング、WEVEファイルやMP3ファイルとしての書き出しなどもできる基本的なソフトですので、うまく使えばちょっとしたサウンド編集ができます。ですが、キーボードで録音開始や停止などを操作しにくいという大きな欠点がありますのでここでは説明しません。
この連続講座では数多くあるソフトの中から
1) いろいろな音声ファイル間の変換方式としてRip!Audico
2) 初歩的なサウンド編集方法としてWaveClipper
3) 更にもう少し高度な編集のためにAudacity
4) 会議や授業・講演など実務用サウンド編集としてRecPlay
の順に解説していきます。RecPlayについては音声によるレッスンを進めています。Audacity以降について今後段階的に掲載していく予定です。
ここで採り上げるソフトの特徴や入手方法を簡単に説明しておきましょう。
[Rip!Audico]
使おうとしている編集ソフトで加工できる形式のサウンドファイルに変換するためのソフトで、基本的にはシェアウェアソフトですが、機能縮小&制限つきフリーソフト版も下記URLからダウンロードできます。
また、mp3ファイルに変換するためにはlame_enc.dllというdynamic limk libraryファイルを、Rip!Audicoと同じフォルダーに入れておく必要があります。これはフリーオープンソースで以下のサイトからダウンロードできます。
http://www.free-codecs.com/Lame_Encoder_download.htm
[WaveClipper]
マイク録音と
WAVE形式のファイルの読み込み編集しか対応できませんが、ボーカル除去やボーカル抽出、フェードイン、フェードアウト、イコライザやノイズカット機能など、ほとんどの機能がキーボードで操作できます。機能的には「サウンドレコーダー」と「RecPlay」の中間的というか、単純でお手軽なサウンド編集入門フリーソフトにもかかわらず一人前の機能を持つソフトです。欠点はWAVE形式で処理するのでメモリーを大量に使うこと。つまり短時間サウンドの編集向き。たとえば携帯の着メロ編集など。パソボラさーくる虹のKさんに教えていただいたフリーソフトで、次のサイトからダウンロードできます。
http://homepage2.nifty.com/t_ishii/index.html
作者のHPです。PC-Talkerは一部しか読みませんが、TABで「wc13、zip」と読んだところでEnterするとダウンロードできます。
[Audacity]
波形を見ながら編集できる外国製のフリーソフトですが日本語に対応しています。これだけの機能を持つソフトがフリーで提供されているとは感激します。この段階を超えると、いろいろな有料ソフトがあります。Audacityはキーボードでほぼ操作できます。
http://audacity.sourceforge.net/download/windows
[RecPlay]
マイクやライン入力、インターネット放送などが直接録音できます。いろいろな音声ファイルをいったん独自のTAPEファイルにして編集するので軽く、長時間の録音編集ができます。会議の録音整理や教材作成、録音テープの整理など長時間録音を必要とする場合に頼りになるソフトです。このソフトとAudacityを組み合わせれば、初歩段階としてはかなりの編集ができます。RecPlayは安価なシェアウェアソフトですが、まずはお試し版で試してみてはいかがでしょうか。ただし、VISTAで使用する場合には、UACを一時的にOFFにしないとダウンロードやマイク録音ができません。もちろんXPなら問題ありません。